ドクターズインタビュー

院長インタビュー

大阪市・谷町九丁目にあるヤマトペインクリニックの山上裕章(やまがみ ひろあき)院長は、“痛みの治療”のプロフェッショナルとも言える存在で、30年以上の長きにわたって神経ブロックの技術力を磨き続けた結果、その治療を求めて他府県から大勢の患者様がお越しになられています。

X線透視を見ながらの神経ブロックの症例数は日本トップクラスを誇り、痛みなどの症状でお困りの方に“安全・確実・痛みの少ない神経ブロック”を提供されています。
そうした高い技術力を持つ山上院長にヤマトペインクリニックの特徴、治療時に大切にされていること、そして患者様への思いについておうかがいしました。

学生時代の怪我・肉親との別れ・良き先輩との出会い
様々な縁に導かれてペインクリニックの道へ

ペインクリニックの医師を目指されたきっかけは?

ペインクリニックの医師を目指されたきっかけは?

実は、高校1年生までは医学の道に進もうとは思っていませんでした。
高校1年生の時にスポーツで骨折し、「これはもうスポーツは続けられないな」と思ったのですが、手術を受け、リハビリした結果、数ヶ月後には試合に出られるほどまでに回復して、「これはすごい」と感銘を受けたのがきっかけで医学の道を志すようになりました。

奈良県立医科大学に進学した後、自身の骨折がきっかけで医学部に入ったわけですから、整形外科医になることも考えたのですが、在学中に祖父がガンで亡くなり、最期の様子を目の当たりにして“痛みの治療”の必要性を痛感したことと、麻酔科に良い先輩がいたことなどが理由でペインクリニックの道に進むようになりました。

大阪市・谷町九丁目で開業された理由は?

ペインクリニックは比較的新しい科で、奈良県でペインクリニックを開業しているのは、ほとんどが私の教え子です。
私はどこで開業してもやっていく自信はあったのですが、教え子たちはみんな地元・奈良で開業したがっていたので、ゆずってあげたという感じです(笑)。

それは冗談として、開業前は大阪の病院で勤務していましたし、中高の6年間、この地域の学校に通っていて土地勘があったので開業場所として選んだ次第です。

“ヤマトペインクリニック”という医院名の由来は?

大学で医学の勉強に勤しむかたわら、柔道や登山と青春時代を奈良県で送ってきました。
その後、NTT東日本関東病院(旧関東逓信病院)での研修を経て、奈良県立医科大学にペインクリニック外来を創りました。
その後12年間、ペインクリニックの研究・診療に携わってきました。

つまり20年以上、奈良県中心の生活を送ってきたことになります。
出身は大阪ですが、医師としてのルーツは奈良県にあると思っています。
奈良は古来、大和(ヤマト)と呼ばれ、「大和は国のまほろば」とも言われてきました。
医師としての初心、そしてルーツを忘れないためにも、“ヤマトペインクリニック”と名づけました。

口コミを頼りに大勢の患者様が来院
その期待に応える的確な診断・高度な技術力

どのような症状・疾患でお困りの方がお越しになられていますか?

どのような症状・疾患でお困りの方がお越しになられていますか?

多いのは頚椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などの脊椎疾患です。
私は病院に勤務していた時、椎間板の専門的な手術も行っていて、その実績が各所で認められていたこともあり、「首や腰の痛みなら、山上のところへ」という紹介を受けることが多く、口コミを頼りに大勢の患者様がお越しになられています。

現在も、私が一番得意とするのは脊椎疾患に対する治療で、それに付随して起こる坐骨神経痛や肋間神経痛なども得意としています。
また、昔からペインクリニックへご相談いただく疾患として多いのが帯状疱疹後神経痛で、これに関しても症例数が多いこともあって得意としております。

治療を行う時に大切にされていることは?

大変ありがたいことに、神経ブロックに関して当院は広く知られた存在となっていますので、当院へお越しになる方は、「他院で治療を受けたが効果がなかった」という方が多いです。
大抵の方は薬物療法やリハビリなどで良くなるはずなのに、そうならずに当院へお越しになるということは、もしかしたら診断されている疾患以外の何かが隠されている可能性があります。
なので、それを見逃さないように細心の注意を払って診断しております。

例えば、他院で坐骨神経痛と診断された方を、当院であらためて詳しく診てみたところ、骨折していたということがありました。
このように長きにわたって症状が続いている場合、他の原因が潜んでいる場合がありますので、そのことを常に念頭に置いて、お一人おひとりの症状を詳細に診るように心がけています。

初診時には神経ブロックをしてもらえないと聞きました。なぜですか?

ヤマトペインクリニックの神経ブロックはX線透視を見ながら深い部分に行うことが多いです。手の感触で行う浅い部分へのブロック注射とは異なります。針を進める部位に問題がないことを確認するには、X線写真やMRI検査が必要です。

また安全に神経ブロックを行うためには、患者さんの全身状態を知ること必要であり、前もって血液検査を行っています。しかし検査当日(初診日)に、すべての検査結果は出ません。申し訳ありませんが、再診日(結果が出てから)の神経ブロックとなります(再診日は最短で翌日)。頻度は少ないですが、検査により優先して治療しなければならない重篤な疾患や他科疾患が見つかることがあります。お互いの安全のため、検査結果を確認してから神経ブロック治療を行うべきと思っています。

血液検査は神経ブロックを行うための検査項目なので、内科の検査と検査項目が異なります。また数カ月前の検査結果を持参されても参考にはなりますが、直前の結果が重要ですので、初診時に血液検査を行います。またMRI画像を持参されても、3カ月以上前のものでは撮像しなおすことがあります。

ヤマトペインクリニックの治療の特徴は?

まずは安全・確実に神経ブロックを行うこと。
そのために、X線透視や超音波(エコー)でリアルタイムの画像を見ながら、周囲の組織を傷つけないように針を最短距離で目標に到達させています。
あとは、できるだけ注射の痛みを抑えること。
整形外科では太い針を使用する所も多いようですが、当院では点滴の針よりも細い極細針を使用しています。
当然、針は細い方が痛くないのですが、それを思い通り動かすには熟練した技術が必要です。

他院で神経ブロックを受けられた方に、「注射で治療しますね」と言うとすごく不安がられることがあります。
他院で受けた注射があまりに痛くて、トラウマになっているのでしょう。
ですが、当院なら心配いりません。
痛みの治療を行うわけですから、できる限り痛みを抑えるようにするのは当たり前だと考えています。

“痛みの緩和”と“再発予防”
痛みを取った後のことも考えて、生活指導の改善・運動の指導

最後に、ヤマトペインクリニックの診療理念は?

最後に、ヤマトペインクリニックの診療理念は?

“痛みの緩和”と“再発予防”です。
首や腰の痛みは生活習慣と密接に関係していますので、痛みの治療をしてもすぐにまた元に戻るような方は、姿勢が悪かったり、運動不足だったり、肥満していたりするなど、再発しやすい状態にあると言えます。

そうした場合には治療後に、生活習慣の改善や再発防止に役立つ体幹トレーニングなどを指導しています。
ただし、それでも症状が再発することがあるので、その時にはまた当院へお越しになられて治療を受けていただければ良いと思います。
ペインクリニックの治療というのは延々と受け続けるものではなく、できるだけ神経ブロックなどの治療を受けなくても良好な状態がキープできるように努めるべきで、そのことは患者様にもよくお伝えしています。

それと、ある程度の期間診させていただいていると、違う疾患が重なってくることがあります。
それを見落とさないようにも注意しています。
首が悪い方は肩関節周囲炎(五十肩)になったり、腰が悪い方は膝や股関節が痛み出したりするなど、最初にお聞きしていた部位とは違うところで症状が現れることがありますので、長く診ている患者様へは他の部位で異常が起きていないかよく診直すようにしています。

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